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オリンピックの裏には、児童買春がある リオでは少女たちが62円で性奴隷に

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オリンピックの裏には、児童買春がある リオでは少女たちが62円で性奴隷に

 

リオデジャネイロ・オリンピック会場近くの海岸では、子供の身体が売られている。

8歳になったばかりの幼い少女がブラジルでは児童買春の子供として働かされている。専門家はこの現状を、数十万人の子供を巻き込んだ「疫病」と呼んでいる。

アナ・ガブリエラさんのような少女は、リオデジャネイロに隣接する州にある故郷の町からあっせんされてきた。手配した女は、2014年のワールド・カップの時、海岸にあるスナック・バーで仕事させると彼女に約束していた。

「彼女は結局、貧民街で監禁の身となって、コパカバーナ・パレスの真ん前で身体を売るはめとなりました。これは、コパカバーナ海岸にある大きなホテルです。彼女は15歳でした」と、慈善団体「メニナダンカ」のイギリス人創設者マット・ローパー氏は語る。この慈善団体は、児童買春に巻き込まれた少女を支援している。

アナ・ガブリエラさんが無理やり立たされていたスポットは、最も多い時で一晩に8人の男の相手をさせられた。このスポットは、リオオリンピックのサイクリング競技場となったロードレース沿いにある。

彼女のケースからわかるのは、オリンピックのような多くの巨大スポーツ・イベントは、売買春のリスクを増加させるという事実だ。マフィアが売春の利益を上げるために、観客の流入を利用しようとするからだ。

2004年のアテネオリンピックでは、その年の人身売買の犠牲者数は、95%増加した。2006年のドイツワールド・カップでは、人身売買の性奴隷が4万人も連れ込まれたとみられる。ただし、こうした数値には異論もある。

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売春あっせん業者から誘われた2人の少女

ある慈善団体の調査によると、ブラジルでは児童買春による性行為はわずか2ブラジル・レアル(約62円)しかかからないこともある。売春は、オリンピック会場の中心部やアスリートの滞在したオリンピック村周辺などで行われたとみられる。

多くの少女は、自分の家族により無理やり売春婦にされ、マフィアの手引で街に連れて来られる。マフィアたちは、少女たちに仕事と「人生を変える」チャンスを約束する。

「大規模イベント目当ての旅行客が増えると、弱い立場の女性たちが搾取される懸念が増します。こうしたことは、FIFAワールド・カップでも起こりました。我々は、このオリンピック中に再び増加するのではないかと懸念しています」と、NPO「アクションエイド・ブラジル」のグラース・アルズア対策本部長は語る。オリンピック期間中にも多数の事例を把握している。

「貧しい少女や女性は、暴力と搾取にさらされるリスクがより大きくなります。彼女たちは、より良い生活が約束されるという幻想に誘惑されてしまうのです」

この深刻な問題の実態を把握するのは難しいが、ブラジルの児童労働防止国家諮問委員会によると、少なくとも50万人の子供が買春されていると推定される。「児童の性的搾取は疫病のように蔓延しています。膨大な数の少女を巻き込むスキャンダルです」と、ローパー氏は言う。

ブラジルでは、社会のほぼあらゆる機関の人間が児童買春している。「誰でもです。警察も、地元の政治家も、小売店主も、もっと貧しい人も含めてです。市長が買春していた例もあります」と、ローバー氏は語った。

ブラジルが深刻な不況に陥っているため、事態はいっそう悪化している。「リオデジャネイロの売春宿地区の売春婦に話を聞くと、最近数カ月で売春宿に来る少女の数は目に見えて増えたといいます。特に、幼い少女が増えたのです」と、ローパー氏は言う。「失業率が増加しています。彼女たちには他に選択肢がないのです」

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オリンピック選手村のアスリートたち。

今回のリオオリンピックの場合、より多く金を稼ぎたいと目論むあっせん業者が、いっそう多くの少女を騙し、リオデジャネイロに連れて来られるという。

「あっせん業者やこのチャンスに乗っかろうと考える人々が、売買春の増加を引き起こすのです。実際に買春が増加しなかったら、多くの少女の生活が破綻することになるのです」

■ 少女たちはどこからやってくるのか?

児童買春のケースはさまざまあるが、ある共通点が存在する。多くの少女たちは、小さな貧しい町や村の出身で、あっせん業者に言い寄られ、リオデジャネイロのような大都市で仕事にありつけると信じてやって来る。「職場は、店だったり、ビーチだったり、時にはもっとあからさまな場所にやって来て買春されます」と、ローパー氏は語った。「こうした少女たちの大半は、児童買春を始めてからすでに数年の経験があるのです」

多くの子供たちがすでに、家族から売春を強制されている。家族は貧困と社会的格差で追い詰められるからだ。「児童買春はごく当たり前で、非難されることなど何一つないと思われています。どこにでもあるような小さな村では、そうした歴史と慣習があるから、児童買春を受容する空気が生まれるのです」

「彼女たちの母も売春婦でした。祖母も売春婦でした。世代にわたって引き継がれる生き方と言えるかもしれません」

少女は10歳か11歳で売春婦になる場合もある。「6歳ごろまでに、子供たちは家庭内で暴行を受けます。このようにして性的虐待が始まるのです。多くの場合、社会に出る最初の経験なのです」

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2014年、リオデジャネイロで売春婦だった2人の少女

国連薬物・犯罪事務所の調査によると、売春する女性の大半は黒人で、結婚はしないが子供はいる。彼女たちは多くの場合高等教育を受けておらず、家庭内で性的虐待と暴力に苦しんだ経験がある。家庭外でも、街でも、学校でも、同様だ。こうして彼女たちは、傷つきやすく繊細な人間になる。

親が一定の年齢に達した娘を金儲けの手段とみなし、娘の稼ぐ金をめぐって娘と口論するのは、日常茶飯事だ。ローパー氏は言う。「娘に売春させている親が文句を言うのは、金を得られないことであって、娘が売春させられているという事実ではないのです」

売春あっせん業者は、リオデジャネイロ・オリンピックが「貧しい家庭に入り、すでに児童買春に従事している少女を見つけ、現金を与える約束をし、彼女を連れ去る」ための絶好の機会とみる。

■ 彼女たちの生活の実態

マリアは、リオデジャネイロのファベーラ(スラム街)で監禁されている15歳の少女だ。虐待、脅迫を受け、十分な食べ物を与えられず、夜の終わりに充分な金を稼げていないと殴られた。「彼女は、自分を指名し、床に押し倒す男たちの話をしました。一度ひどい扱いを受けて、歩けなくなったこともあったといいます」と、ローパー氏は言う。

ローパー氏は、麻薬中毒になって誘拐された少女たちのために仕事をしてきた。そのなかのひとりは、トラックの運転手とのセックスが終わると、トラックの荷台から突き落とされたという。

貧しい家族の家計の足しにするため、自発的に自宅から売春のために通う少女たちもいる。「少女たちは、そのような生活に慣れてしまっているのです」と、ローバー氏は言う。それでも、彼女たちは家庭で暴力を受けている。

ローパー氏は、12歳の少女レイラにも手を差し伸べた。彼女は、リオデジャネイロを通過するブラジル最大の高速道路BR116の脇に立ち、自分のファベーラを通過するトラック・ドライバーに身体を提供していた。

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12歳の少女レイラ

「彼女たちが実際に経験していることを軽く見るべきではありません。」と、ローパー氏は言う。「すべてが苦痛の生活です。虫けらのようにモノとして扱われ、男たちは、彼女たちを傷つけたことに良心の呵責を感じていません」

■ 売春あっせん業者の実態

「彼らは地元の犯罪者です。女性もいます。麻薬と無法地帯に巻き込まれた人々です。麻薬を取引する女が、売春の格好の餌食となるような見栄えのいい少女を知っていたら、悪条件は出揃います。少女は現地の闇社会を知ることになるのです」

ブラジル国連薬物犯罪事務所によると、売春あっせん業者の大半は男性だが、43%は女性で、特に児童買春する少女たちを補充する仕事に従事する。他の調査によると、最近は女性のあっせん業者が41%増加したとみられる。

人身売買に従事するマフィアは、東欧のマフィアとは違って高度に組織化されていないが、「違法行為に従事する人々のネットワークが存在し、売春もそれらの一部となっている」と、ローパー氏は言う。

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リオ市内を走る高速道路BR116。この道路沿いに少女たちが立ち、運転手に体を売る

■ 少女たちが逃れられない理由

大都市に連れてこられると、多くの少女は家に帰れない。「彼女たちは、闇社会に釘づけにされます。あるいは、そこに留まるのを余儀なくされるか、他の誰かに売られます。海外に売られることもあります」と、ローパー氏は言う。

人身売買ルートを見ると、リオデジャネイロに移った子供が多くの場合、海外の都市に移っていることが分かる。「ロンドンの売春宿を見学しましたが、彼女たちの多くはブラジル人でした。それが小都市や大都市への移転の理由です。それから別の国へ連れていかれます。一度入ったら、抜け出すのは難しいのです」

■ 少女たちは誰に買われるのか

オリンピック目当てでリオ滞在中に買春する者もいるが、必ずしも全部がオリンピック旅行者ではない。「観光が直接性的搾取に結び付くとは言っていません。しかし男性にとっては買春というアトラクションが増えるわけです。少女が年少、またはあっせん業者により搾取されている場合、女性の立場はいっそう弱くなります。ブラジル人女性に関する一般的なイメージも関係します」

しかし、スポーツイベントで売春が増加するという懸念は誇張されていると、ロイターのジュリー・モリンズ記者は主張する。「スポーツファンに対する固定観念みたいなものだ。彼らはセックス狂で、スポーツ観戦が目的ではない、凶暴なスポーツファンだと。セックスを金で買うために彼らは現地へ来ている。これは、人間の行動心理の観点からしても、まったく根拠がない」

ローパー氏によると、買い手が普段から少女買春する現地人が多いほど、観光客の多くは、売春あっせんが行われるような危険な地域に行くのは避けようとするという。

15歳未満の子供の売春あっせんは、大きな海岸よりずっと隠れて行われる可能性が高い。「海岸では10歳児を見かけることはないでしょう。児童買春旅行を目的として来る観光客は大きなイベントの時には来ません」と、ローパー氏は言う。

ローパー氏の本業は、高速道路BR116の上で買春される少女たちの救済と援助だ。彼の活動は、少女たちが高速道路沿いの貧しいファベーラにいるからこそ、児童買春という商売が存在する。「20年前は、もっともっと貧しく、食べるものも十分にありませんでした」

「なにがしかの金を持っているのは、故郷を通過する高速道路を自動車で行き来するトラック運転手たちだけでした。高速道路脇での売春は、貧困層の女性たちほぼすべてにとっての職業となりました」

貧困と、歴史に根差す性差別ゆえに、集団の売春が当たり前とみなされる。「イギリスでは、17歳の学生と性交した教師は刑務所へ入れられます。しかしブラジルでは、12歳の少女とセックスしても、多くの人は小児性愛、強姦、犯罪行為とは思わないのです」と、ローパー氏は説明する。

■児童買春はロンドンオリンピックでもあったのか?

2012年のロンドンオリンピックでは、ロンドンの多くの行政当局は、売買春や人身売買全般が増加するのではと懸念した。ロマ(ヨーロッパを中心に、南・北アメリカなど世界各地で生活する少数民族)の人々が物乞いし、路上犯罪のために人身売買が蔓延するのではないかという不安があった。

ロンドン市は、児童買春を防止するためプロジェクトを組んで調査に乗り出し、議会は子供が監視の目から漏れるのを防ぐための対策を講じるように求められた。

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ロンドン警視庁は、2012年オリンピックでは人身売買が増加した傾向は直接的には見られなかったと述べた。

「この機会を利用して少女を補充しようとする人々の数は確かに増加したと思います」と、ローパー氏は言う。売春行為自体が実際に増加したかどうかは彼にもわからない。

ロンドン警視庁は、事例を1件を調査したものの、人身売買の増加が直接にオリンピックと連動することはなかったと述べた。首都警視庁の広報担当ローラ・ゴドマンは、「これは測定が困難だった」という。その理由は、人身売買の犠牲者が自分が売春しているという事実を自覚していないこと、あるいは彼女たちが児童買春を強制される生活が正常なものではないことを理解できないからだ。

売春従事者の社会復帰を支援する「オープン・ドアーズ」を運営するジョージナ・ペリー氏によると、 売春問題がことさら強調されると、売春した人たちの一部は犯罪者扱いを恐れて医療サービスを受けるのを避け、より危険にさらされているという。

■リオオリンピックの後に来るもの

問題は閉会式の後にも消え去らない。女性の人権グループCAMTRA によると、ブラジルは世界で2番目の女性売春大国だという。

「人口1万5000人の小さな町で、200人の子供が買春に巻き込まれているおそれがあるのです」と、ローパー氏は言う。「計算してみれば、子供たちを取り巻く環境によって、両親によって、あるいは強制的に、数千人の子供が否応なしに児童買春されているのがわかるのです」

児童買春問題に取り組む人たちは、オリンピックでブラジルへの国際的な関心が高まったことで、支援につながるものが残ることを期待している。しかしブラジルがオリンピックを終えて世界中から監視されなくなったら、事態がはるかに悪くなる恐れもある。

「人が去り、ブラジルの肯定的なイメージを世界に対して維持する理由がなくなったとき、多くの人々は、困難な経済状況が原因で、事態はいっそう悪化すると思われます」と、ローパー氏は言う。

オリンピック後には、教育、医療、警察に追加的な投資が行われず、最も弱い立場の子供たちの生活はより厳しくなるだろう。

危機に見舞われたブラジルは、オリンピックでイギリスがしたほど社会的インフラ投資をしていない。「リオデジャネイロは、オリンピックをきっかけにして社会的遺産へ投資し、貧困と不平等を縮小し、公共サービスの質の向上をはかる機会を失った。こうした改善が実現していたら、若い女性が困難な状況に陥るリスクを減らす道が開かれるはずだった。買春を強制される状況は、犯罪的であり、人間の尊厳を無視するものだ」と、アクションエイド・ブラジルのアルズア代表は語る。

彼女によると、リオデジャネイロは、少女売春婦を救済する社会的プロジェクトではなく、インフラも整備せず、スポーツ・プロジェクトや貧困層、公立学校への投資もないまま、貧しい人たちをファベーラから立ち退かせて再配置したに過ぎない。

「リオデジャネイロは、女性にとって安全な都市になるための機会を失ったのです」

■ 支援のために何ができるか

ブラジルには売春を取り締まる先進的な法律があるのに、有罪となった判例はほとんどなく、児童を売買するネットワークは追跡困難だ。

「ブラジル政府には、この問題に対処する統合された組織がありません」と、アルズア氏は言う。

しかし、ローパー氏のマニナダンカのような草の根プロジェクトは動いている。彼らは人身売買で取引された少女たちが安心できる場「ピンクの家」を作った。

ブラジルの慈善団体「カムトラ」は、最も観客が集まる数カ所の競技会場で、ポルトガル語と英語で売春のリスクと兆候を説明する冊子を2万セット配布した。アクションエイドとの共同で、リーフレットを配布し、現地当局との公聴会を催し、セミナーや行進を開催する。

アクションエイドは、2014年ワールドカップ開催期間中に120人の少女を、搾取に反対するメッセージを広める大使に任命した。「子供、青少年、成人に対し、売買春への勧誘を拒絶する力を与えるのが目的です」と、アクションエイド代表のアルズア氏は言う。

■状況は変えられるか?

「私はそのように考えたいです」と、ローパー氏は言う。「確かに多くの人々が考えている通り、明らかにこの国は低迷期を迎えています。しかし一方でブラジルではより多くの人々が教育システムの恩恵を受けることができるようになっています。最終的には事態は改善され、いっそう多くの人々が外国の状況を知るようになる。徐々にですが、変化しつつあり、人々の考え方も変わり始めているのです」

ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。

 

Nacho Doce / Reuters

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引用元:http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/26/rio-child-sex-trafficking_n_11715002.html

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