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職場のユーモア、あなたの評価を上げるか
適切な冗談ならステータス向上、不適切なら深刻なダメージ
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オフィスで同僚を笑わせている人は自信があり有能で地位も高いと見られやすい。ペンシルベニア大学ウォートンスクール(経営大学院)とハーバード・ビジネス・スクールの研究者による一連の実験で分かった。
自分のイメージを磨くために洋服や車、資格、コーチングなどに多くの労力を費やしてきた多くの人々にとって、この結論は無視できない。
だが笑いには危険もつきまとう。不適切なジョークを一度口走っただけで、あなたの評価は奈落の底だ。
ユーモアは知性の表れとみられることが多い。うまいジョークには人の気持ちと好みに対する繊細さが要求される。ジョン・ソーン氏が自分のステータスを上げるためによく使うのは自虐ジョークだ。オハイオ州に本拠を置く自動車関係のイベント企画会社オートモーティブ・イベンツの社長として、新規顧客を開拓するのはたいていソーン氏だ。
自虐ネタの効用
しかし、イベントの企画・運営を担当する部下を顧客に紹介する際、ソーン氏はこうジョークを飛ばす。「実は私は何もしません。仕事をするのはここにいる男性陣です」。顧客が笑うと、すかさず「本当です。私は一日中、何もしません。コーヒーを切らさないように、ここにいるだけです」と言う。そうすれば担当者が変わることを顧客が安心して受け止める手助けになるという。
企業幹部はジョークを言うことで自信を持った有能な人物に見せることができる一方、人間味のある弱点を持った人物として従業員と同じ目線に近づくこともできると、ソーン氏をコーチしたクレイトン・フレッチャー氏は話す。同氏は戦略的コミュニケーションを手がけるペッパーコム(本社・ニューヨーク)に勤めるコメディー・コンサルタントだ。過去の研究でも、職場のストレス解消や友好的な人間関係の構築、チームの生産性や創造性の向上といった面でもユーモアが有益であることが示されている。
ウォートンスクールの研究は、ジョークが個人の職場でのステータスにどう影響するかを検証した初めての研究だ。8つの実験に参加した計2300人に、例えば職場の同僚が言ったジョークを思い出してもらい、その人が同僚からどれほど尊敬されそうかなどの基準でステータスを評価してもらった。
リストラ断行した経営者のジョーク
この研究の筆頭執筆者でウォートンスクールの博士号取得候補者であるT・ブラッドフォード・ビタリー氏は、実験参加者が同僚の面白いジョークを思い出すだけで、その同僚のステータスが上がると指摘。「ジョークがいかに強い力を持ち得るかを示している」と話す。この研究は学術誌「Journal of Personality and Social Psychology(性格と社会心理学ジャーナル)」11月号に掲載された。
ただ、不適切なジョークは本人のステータスに深刻なダメージを与える可能性がある。その場の状況や聞き手の好み、ジョークを言う目的に合致しているかどうかを判断するのが重要だと話すのは、職場のユーモアに関するコーチングを手がけるアンドリュー・タービン氏だ。
ジョークはその場の緊張を緩和するものであれば、重苦しい雰囲気の中でも有効な場合がある。しかし、聞き手の感情を無視したジョークは嫌みになる。例えば、まとまった規模の解雇を実施した後で、経営者がこれから自分はもっと小さなヨットを買わなければならないとジョークを飛ばせば、強引で嫌みな人間と受け止められる可能性が高いとタービン氏は言う。また、複雑な問題を解決しなければならないような会議でのジョークは周囲をいら立たせる以外に何も達成できないそうだ。
引用元
http://m.jp.wsj.com/articles/SB10852398588237353609804582580562273909508?mobile=y
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