日本最大級の伝統仏教教団、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)が、病院や高齢者施設で心のケアに当たる専門僧侶の養成に今年秋から乗り出すことが5日、関係者への取材で分かった。病院や大学などと連携し、医療・介護の基礎知識や技能を教える。雇用する施設には人件費の一部を助成する取り組みも始める。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる「2025(平成37)年問題」を見据え、生死にまつわる苦悩や悲嘆を抱える人が増えると見込まれることから、病床などで寄り添う専門僧侶の養成が仏教教団としての有力な社会貢献活動になると判断した。
計画では、15日間の基礎研修と3カ月間の臨床実習を実施。医師や薬剤師、介護職員らが講師となり、がんの特性や医療用麻薬などに関する知識と生活支援技術を僧侶に身につけてもらう。龍谷大が実施する「臨床宗教師」の研修プログラムと単位互換も行う。
初年度は4~5人の養成を想定。専門僧侶は布教を目的とせず、医療・介護チームの一員として働き、患者や利用者に加えてスタッフの心のケアにも当たる。
病院や高齢者施設にとっては「縁起が悪い」と僧侶を敬遠する向きがあるほか、雇っても診療報酬や介護報酬の加算がなく、経営上のメリットは薄い。このため、本願寺派は人件費の一部を1年間助成し、雇用先の開拓も進める。
本願寺派は昭和62年から、僧侶や門信徒が病院や高齢者施設でボランティアなどを行う「ビハーラ活動」を推進。平成20年には京都府城陽市に僧侶が常駐する緩和ケア病棟「あそかビハーラ病院」と、特別養護老人ホーム「ビハーラ本願寺」を開設していた。
ビハーラ活動 ビハーラは仏教が誕生した古代インドのサンスクリット語で、休息の場所や僧院などの意味。昭和60年に佛教大の研究員だった田宮仁氏が、キリスト教由来のホスピスに代わる名称として提唱した。活動は終末期のがん患者など、苦悩や悲嘆を抱える人を相手に話を聞く「傾聴」がメイン。浄土真宗本願寺派は62年から活動に当たるための研修会を開催しており、僧侶でない人も含めて1200人超が修了した。
http://www.sankei.com/smp/west/news/170105/wst1701050035-s1.html
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