恋に落ちる決め手は相手の「理解」
人は相手の何に引かれるのか、恋愛の研究で新たな発見
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恋愛に関する研究で、恋人候補の魅力度は自分がその人を理解できるだろうと感じる時に高まることが分かったILLUSTRATION: TOMASZ WALENTA
By2017 年 1 月 27 日 06:55 JST
あと数週間で2月14日だ。われわれの多くが昔ながらの求愛の儀式であるバレンタインデーを祝うが、科学者たちは恋愛に関する新たな発見を続けている。恋愛相手に寄せる特別な関心を調べた最近の研究によると、潜在的な恋人へのわれわれの関心の度合い(魅力度)は、自分が今後その人を理解できるだろうと感じる時に高まることが分かった。たとえ、その恋人候補が自分を理解してくれるという証拠が全くないとしてもだ。
科学者たちは長い間、動物か人間かにかかわらず、1つの種(しゅ)において特定のメンバー同士が何に引かれ合うのかを研究してきた。伴侶を探す人ないし動物は、健康を示すサインに注目する。例えば、左右対称的な特徴や付属器官が大きい(「あの角を見て。なんて立派なのかしら」と雌のシカが思う)など、その人ないし動物に発揮できるエネルギーとパワーがあることを示すものだ。伴侶を探す人ないし動物は、生殖能力を示すサインにも注目する。それはエストロゲンやテストステロンが顔や生殖器に及ぼす影響によって示される。人間に関して言うと、女性のふっくらとした唇や、男性のとがった顎などだ。
それ以外の要因もからんでくる。身長、宗教や政治的思想といった観点で、人は無作為にではなく、より自分自身に似た人を伴侶に選ぶことが多い。そして、「バンドワゴン効果」もある。研究によると、不人気な雄のライチョウであっても、雌たち(実験では鳥の人形)に取り囲ませることによってそのライチョウを「人気者」に変えられることが分かっている。このライチョウの雄らしさに雌たちが息をのんで取り囲んでいるようにみせるのだ。
昨年4月に米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された最近の研究では、脳内スキャナーを装着した男性の被験者43人に、6人の女性の顔写真をみせた。その後、男性が女性にどのくらい魅力を感じたかを2つの手法で評価し、同じような結果を得た。研究は独リューベック大学のジルケ・アンダース氏率いるチームが行った。
実験ではまず、実生活の場で特定の女性にどれほど会ってみたいかを男性たちに尋ねた。次に、女性との会話を想像できるくらいにまでそれぞれの女性の写真を拡大するよう告げた。写真をどのくらい拡大したかは、顔を見たいという欲求を示す。それは、魅力度、つまり女性に引かれていることを示す妥当な指数になるだろう。
その後、6人の女性がそれぞれ恐怖ないし悲しみを表している動画を男性たちに視聴してもらった。男性たちは脳内をスキャンされた状態で、女性たちの心の状態を説明するよう求められ、自分のその見立てにどのくらい自信を持っているかを答えた。その後、女性たちにどのくらい魅力を感じているかを再び尋ねた。
全般的に見ると、動画は、男性たちにとって女性の魅力度を高めた。研究チームが特に注目したのは、どの男性が女性への愛情が大きく高まったと答えたのかだった。すると、女性の心を正確に理解していると自信を持つ男性であればあるほど、報酬(喜びの感情や快感など)に関係する脳の領域が活性化し、その女性が魅力的だと感じていた。
また、特定の女性の魅力度が最も大きく高まったと感じた男性は、特定の感覚が最も強まったと報告した。それは「彼女は自分を理解してくれる。彼女となら個人的な問題についても話せる」という感覚だ。もちろん、それを裏付ける証拠は何もないにもかかわらず、そう答えたのだ。恐らく、こうした感情が互いに補強し合い、魅力度を測る温度計の目盛りがどんどん上昇していくことになるのだろう。
論文の執筆者たちが示唆しているように、この実験は、執筆者が言うところの「『ふさわしい』協力相手を見つける」時の心理学的・神経生物学的な構成要因が何かを浮き彫りにしている。
研究チームはさらに、女性たちにも同じ写真と動画を見せたが、基本的に同じ結果が得られたという。この論文には被験者の性的志向に関する情報はない。だが、被験者の女性全員が同性愛者で、女性を恋愛対象として見ていたという可能性は低いとみられる。かくして、われわれはバレンタインデーに向け、恋愛的および性的な魅力について重要なことを学んだだけでなく、潜在的な友人の何に引かれるかについても学んだのだ。
引用元
http://m.jp.wsj.com/articles/SB11177354273695693774104582582612625769878?mobile=y
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